花の撮り方

花を大きく撮るレンズの選び方|ズームとマクロは何が違う?

花壇のコスモスへ近づき、花にマクロレンズを向ける撮影者

花全体を大きく撮るなら、まず手持ちのズームを試しましょう。しべや水滴まで写したいなら、撮影倍率と撮影距離からマクロを選びます。対応マウント別に3本を案内します。

目次
  1. 花全体を撮るなら、今のズームで大きさを確かめる
  2. 撮影倍率は細部の大きさ、焦点距離は撮る距離と背景に関わる
  3. 最短撮影距離はレンズ先端からの距離ではない
  4. 手持ちのマウントからマクロレンズを選ぶ
  5. 大きさが足りないのか、近づけないのかで買い足す理由が決まる

花を画面いっぱいに撮りたいなら、まず花全体を写すのか、しべや水滴まで大きく写すのかを決めましょう。花全体なら、手持ちの標準ズームや望遠ズームで十分な場合があります。近づいても細部が小さいままなら、マクロレンズでしべや水滴を大きく写せます。

マクロを選ぶときは、カメラに合うマウントを先に確認します。マイクロフォーサーズの60mm、富士フイルムXの30mm、ニコンZの105mmは、それぞれ対応するカメラで使う候補です。

花全体を撮るなら、今のズームで大きさを確かめる

一輪の形や、花壇の色の重なりを撮るなら、ズームは使いやすいレンズです。立つ場所を大きく変えず、花と周囲の入れ方を調整できます。

撮りたいもの 先に試すレンズ 選ぶときに見るところ
花壇や枝全体、風景の中の花 標準ズーム 広角側で周囲をどこまで入れられるか
一輪と背景の色、少し奥にある花 標準ズームの望遠側・望遠ズーム 近づける距離と最大撮影倍率
しべの形、花びらの縁、小さな水滴 マクロレンズ 細部をどこまで大きく写せるか

ズームを望遠側へ回しても、花が必ず大きく写るとは限りません。望遠側では近くにピントを合わせられないレンズもあります。まず少し離れてピントを合わせ、撮れた写真で花の大きさを確かめましょう。

花全体が望む大きさに収まるなら、マクロを買い足さずに撮り続けられます。花の中心だけを切り取ったときに細部が足りないと感じたら、最大撮影倍率を比べる段階です。

撮影倍率は細部の大きさ、焦点距離は撮る距離と背景に関わる

撮影倍率は、被写体がセンサー上にどれだけの大きさで写るかを表します。1倍は「等倍」とも呼びます。例えば実物が横10mmの花なら、1倍ではセンサー上にも横10mmで写ります。

同じ1倍でも、写真全体に入る花の範囲はセンサーサイズで変わります。小さいセンサーほど、同じ大きさの花が画面の中で大きく見えます。

センサーの例 1倍で写る横幅の目安 横10mmの花の見え方
マイクロフォーサーズ 約17mm 画面の横幅の半分より大きい
富士フイルムXのAPS-C 約24mm 画面の横幅の4割ほど
ニコンZのFX・フルサイズ 約36mm 画面の横幅の3割弱

この表は、センサーの横幅から考えた目安です。ニコンZのDX機で同じレンズを使う場合は、FXの欄より写る範囲が狭くなります。

一方、60mmや105mmといった焦点距離の違いは、花を同じ大きさに写すときの撮影距離や、背景の入り方に関わります。花の近くへカメラを入れられるなら短いマクロも使いやすく、花壇の奥の花や、背景を狭く切り取りたい場面では長めのマクロが役立ちます。

最短撮影距離はレンズ先端からの距離ではない

仕様の最短撮影距離は、カメラの撮像面から花までの距離です。レンズ先端と花の間に、その距離が丸ごと空くわけではありません。

庭園で小さな花へカメラを近づけ、花の細部を狙う撮影者

近づいて撮るときは、レンズや自分の体の影が花にかからない位置を探しましょう。前後に揺れるとピントも外れやすくなります。まず花の中心にピントを置き、F4〜F5.6あたりから必要な奥行きを確かめると撮り方をつかみやすくなります。

近接撮影では花びら全体にピントが合わなくても、しべだけをはっきり見せる撮り方ができます。花全体を見せたい場合は少し離れ、絞りも調整しましょう。風で揺れる花には、手ぶれ補正だけでなく速いシャッターも必要です。

手持ちのマウントからマクロレンズを選ぶ

次の3本は、取り付けるカメラが違います。手持ちのカメラに対応する行から読んでください。撮影倍率は換算せず、レンズ本来の値を並べています。

対応マウント レンズ 最大撮影倍率 最短撮影距離 レンズ重量
マイクロフォーサーズ M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro 1倍 0.19m 約185g
富士フイルムX XF30mmF2.8 R LM WR Macro 1倍 0.10m 約195g
ニコンZ NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S 1倍 0.29m 約630g

マイクロフォーサーズなら、軽い60mmで小さな花を狙う

OM SYSTEMやLUMIX Gのマイクロフォーサーズ機で、散歩に持ち出しやすいマクロが欲しいなら60mmが合います。約185gで、花の細部を等倍まで大きく写せます。35mm判換算では120mm相当の画角です。60mm F2.8 Macroの撮り方と新品の購入案内で、花の撮影に向く理由を詳しく読めます。

富士フイルムXなら、花のそばへ寄れる30mmを選ぶ

XF30mmは最短0.10mまで近づいて等倍で写せます。鉢植えや手前の花にカメラを近づけられる人に向きます。等倍付近では花とレンズ先端が近くなります。そのため、花壇の奥を狙う用途より、近づける花で細部を探す使い方に合います。XF30mm Macroの使い勝手と新品の購入案内へ進みましょう。

ニコンZなら、花との間隔を取りやすい105mmを選ぶ

花へ寄りすぎず、背景の色も整理して写したいニコンZユーザーには105mmが合います。長めの焦点距離で、花の後ろに入る範囲を狭く選びやすい一本です。

庭の紫陽花へマクロレンズを向け、花とレンズ先端の間を空けて撮る人

約630gなので、散歩の荷物は軽量なマクロより重くなります。花を撮る時間をしっかり取りたい人は、NIKKOR Z MC 105mmの使い勝手と新品の購入案内で取り回しまで確かめましょう。

大きさが足りないのか、近づけないのかで買い足す理由が決まる

花全体を撮れているなら、今のズームで背景を変えるところから始められます。しべや水滴が小さすぎるならマクロへ進みましょう。そのときは、花へ近づける場所かどうかも一緒に考えると、使いやすい一本を選べます。

各マクロの記事には、対応する新品レンズ単体をカメラのキタムラで購入する案内があります。手持ちのマウントの一本を選び、花との距離と持ち歩く重さを確かめてから購入案内へ進みましょう。